ハノイ近郊で標準工場(レンタル工場=貸工場)への日本企業の誘致が盛んになっている。やはり、東日本大震災の影響も大きいようで、「日本で生産するリスク」がより顕著となったことから、中小企業の進出ラッシュを支える受け皿にベトナム北部がなりそう。

 



 

まずは日系の工業団地では、バクニン省イエンフォン工業団地内に貸工場を持つフジプレシジョンでは、今年に入ってから引き合いが増えており、間もなく6棟全てが埋まる模様。先日伺った企業もここに入居されると聞いた。

また、タンロン工業団地(ハノイ市)内の貸工場「タンロン・アパートメント・ファクトリー」も昨年10月末から賃貸の受付を開始したが、すでに金属加工・処理の企業などで、11区画のうち7区画(7社)の入居が決まっている。TLIP内で操業している大手メーカーへの製品供給や金属加工の提供などができる会社も多いようだ。

入居が決まった7区画のうち、5区画が日本企業の海外初進出とのこと。やはり日本人によるサポート体制や操業環境の改善支援など、海外初進出の企業にとっては、安心感が進出の決め手になっている。



 

方や、現地資本系のレンタル工場は、苦戦している模様。キンバック都市開発社(KBC)が運営するクエボ工業団地(バクニン省)内の貸工場。その名も「日越裾野産業育成団地」。1棟約5,000平方メートルの工場を15棟も着工し、昨年夏から今年1月にかけて相次ぎ完成させた。間仕切りによって、1,000平方メートルからのレンタルが可能とのこと。

日本人担当者が不在で建屋が大きすぎるのが問題のよう。

ただ、キンバックは苦戦しているものの、「日越」の看板を掲げているため、他国企業への工場レンタルは今のところ考えていないらしい。魅力は賃料の安さ。管理費込みで1平方メートル当たり月額4.5~5米ドル(1米ドル=約80円)という賃料の安さを武器に、日系企業のニーズをどこまでくみ取れるかが勝負となる。

ちなみに、クエボ工業団地自体の販売は好調で、キヤノンや台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)などが入居。同工業団地の開発総面積は640ヘクタールだが、販売可能な用地は残り100ヘクタール程度と少なくなってきたようだ。

 

日系のレンタル工場は活況なだけに、クエボで日越連携をうたう「日越裾野産業育成団地」をうまく活用することも、一つよい施策に思える。